家づくりでは、どこに予算をかけるか、ずいぶん悩みました。

以前の住まいで気になっていたカビや、夏場の床の足触り。新しい家では解消したいことがある一方で、窓から緑を眺められる暮らしにも憧れていました。

限られた予算のなかで、一部だけを最高級にするよりも、自分たちが大切にしたいところを標準仕様から少しずつ引き上げる。そのほうが、暮らし全体の満足につながるのではないかと考えています。

入居から約半年。今回は、5月から9月までの暮らしを振り返り、わが家で選んでよかったと感じているものを5つ、選んだ理由とともにまとめます。住んでから実感していることに加えて、これからの暮らしに期待していることも含めた記録です。

1. 換気への不安から選んだ「澄家」

家づくりで特に悩んだのが、換気システムでした。

以前の住まいではカビが発生していたこともあり、新しい家では同じ思いをしたくありませんでした。換気の仕組みを調べるときも、カビとメンテナンスのことが気になっていました。

なかでも心配だったのは、給気に使うダクトの内部です。もしカビが生えたら、掃除はできるのか。そこを通った空気が家の中に入ってくるのは嫌だな、と思っていました。

これは実際にダクト内のカビを見た経験ではなく、選ぶ段階で抱いていた不安です。そのため、当初は第三種換気を考えていました。

そんなときに見つけたのが、マーベックスの「澄家」でした。給気側のダクトの手入れに対する不安を減らせそうだと感じたことと、換気による室温への影響を抑えられることに魅力を感じ、採用しました。

5月から9月まで暮らした範囲では、換気によって部屋の温度が変わるような感覚はありません。この点は、選んでよかったと感じています。冬の使い心地については、これから確かめていくことになります。

2. 外壁はモスグリーンの金属サイディングに

外壁に選んだのは、アイジー工業の「ガルスパン」。色はモスグリーンです。

外壁は、見た目だけでなく、長く住むためにも気を配りたい部分でした。検討中は、シーリングや塗装のメンテナンスに関する情報が気になり、雨漏りなどで家の内部に傷みが及ぶことは避けたいと考えていました。

耐久性を重視して検討するなかで、わが家では金属サイディングを選びました。ただ、長期的な耐久性については、これから住みながら見ていくことになります。

今、気に入っているのは外観の雰囲気です。金属の質感とモスグリーンの色合いが、自分の求めていた家の印象につながりました。

長く使うことを考えながら、見た目にもこだわる。外壁は、その両方を意識して選んだところです。

モスグリーンの金属サイディングに映る植栽の影
モスグリーンの外壁に、日の光を受けた植栽の影が映ります。

3. 内装でいちばん取り入れたかった無垢床

内装でいちばん実現したかったのは、無垢床にすることでした。

きっかけは、賃貸のアパートで暮らしていたときの経験です。当時の複合フローリングは、夏場に足が触れるとペタペタと張り付くように感じられ、その感覚が苦手でした。

新しい家では、床の足触りを大切にしたい。それが、無垢床を選んだ大きな理由です。

わが家で選んだのは、オーク材の無垢床です。実際の足触りはさらさらとしていて、以前のように足が張り付く感覚がありません。夏を過ごしてみて、この足触りを快適に感じています。

手入れをしながら長く使いたいという思いもありました。傷んだときの補修や、表面を削る手入れができる点にも惹かれましたが、実際にできることは、採用した床の仕様に合わせて確認しておきたいところです。

見た目では、本物の木ならではの表情が気に入っています。同じものがない木目や節が、部屋の雰囲気をつくってくれます。

窓からの光が差すオークの無垢床
窓からの光が、オークの無垢床の木目をやわらかく照らします。
オークの床が続くダイニングとキッチン
ダイニングからキッチンへと続く無垢床が、暮らしの中に木の表情を添えてくれます。

4. 家の中から見える植栽

窓から自然を感じて、森にいるように暮らしたい。そんな思いから、庭にはいくつかの植栽を取り入れました。

普段はカーテンを開け、家の中から緑が見えるようにしています。

リビングの大きな窓からは、庭の芝とオリーブ、ジューンベリー。玄関を入った正面の窓からは、アオダモとソヨゴが見えます。和室の下窓から見えるところには、アセビとユーカリを配置しました。

葉が揺れていると、それだけで涼しげに感じます。太陽の光で木の影が外壁に映る様子にも、自然を感じて癒されます。

植栽は、庭を外から眺めるためだけのものではありませんでした。家の中からどんな景色が見えるかを考えたことで、室内で過ごす時間にも緑を取り入れられたと感じています。

窓越しに見える庭の植栽と芝
窓越しに見える庭の植栽と芝が、家の中にいても緑を感じさせてくれます。
和室の下窓から見えるアセビとユーカリ
和室の下窓からは、アセビとユーカリの葉を眺められます。

5. 長い目で暮らしの費用を考えた太陽光発電

家づくりでは、建てるときの費用だけでなく、住み始めてからの費用も意識していました。

初期費用がかかっても、日々の支出を抑えることで、長い目で見た家全体の費用を下げたい。その考えから、太陽光パネルを設置しました。

発電した電気を家で使うことと、余った電気を売ることを想定し、導入時には10年程度で設置費用を回収できる見込みで考えていました。

もちろん、これは現時点で回収できたという実績ではありません。今後の発電量や使い方、機器の交換費用なども含め、長期的に見ていくつもりです。

一方で、蓄電池は設置しませんでした。わが家では、追加の費用に対してどれくらいの効果があるかを考え、導入を見送りました。

電気代が今後どうなるかはわかりませんが、自分の家で発電した電気を使えることには意味があると考えています。太陽光については、これから実際の電気代や発電の記録を見ながら、選択を振り返っていきたいと思います。

まとめ|自分たちが気になるところに、少しずつ予算をかける

換気、外壁、無垢床、植栽、太陽光発電。選んだものはそれぞれ違いますが、出発点は、以前の暮らしで気になっていたことや、これから大切にしたいことでした。

カビへの不安を減らしたい。床の足触りにこだわりたい。窓から緑を眺めたい。そして、長く住むための費用も考えておきたい。

一部の設備だけに予算を集中させるより、自分たちが大切にしたい部分に少しずつ予算をかける。わが家にとっては、その考え方が満足につながっていると感じます。

長期的な耐久性や費用の効果は、まだこれからです。今感じている心地よさと、長く使って初めてわかること。その両方を、暮らしの記録として残していきたいと思います。